切絵 広重・国芳・豊国_東海道五十三對 21_國芳_岡部      

蔦の細道神社平(たいら)の上(かミ)の方(かた)に
猫石といふあり 古松六七株の陰に 猫の臥(ふし)たる形に似たる巨巌(こがん)あり
其昔 此所に一ツ家ありて 年ふる山猫老女に化(け)し多くの人に害をなし
人民を悩せしに 天命逃れず終に死して其霊石と化す と世俗にこれを言つたへけれども 其証詳かならず