切絵 広重・国芳・豊国_東海道五十三對 36_廣重_赤坂 宮路山の故事       

昔 太政大臣師長 尾張の国にさすらへ 配所のつれづれこの宮路山に分入木々の紅葉を眺めつゝ
辺りの岩に腰を掛 琵琶を弾じ居給ひしに いづくとも美女來り調につれて唱哥なす
師長是を見かへり給へバ 即ち鬼神の姿と也 我ハ此山の水神なり 御身が秘曲の勝れしまゝ
茲に形を顕す也と 其侭消失にける也 藤原師長 水神の化身の美