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ドウダンツツジ |
手入れ方法 |
この木くらい、切るのに始末がいい木はない。どこで切っても、新しい枝を出してくるから、刈り込み物には最適だ。 切ったあと、二本といわず、四本も五本も新しい枝を伸ばしてくるから、切ってやれば、年をおって枝が密になり、いい木になる。 東西物(苗木)を買って丸く仕立てたい、というときには、なるべく早い時期から頭を切り、横枝を出させて、丸くするのがいい。 なまじ木を大きくしてからと思うと、裾があいてしまって、あとからではなかなかうまく整形できない。 いったん、丸くこさえたら、6、7月にきれいに毎年、刈りそろえるといい。だいたい8月までは刈れるができるだけ早めに行い たい。というのも、この木は紅葉がすこぶる美しい。9月に入って刈ったのでは、紅葉が見られなくなる。 どうも経験から推すところ、梅雨明け早々に刈るのが一番いいようだ。根拠は定かでないが、梅雨明け後に伸ばした葉は土用の暑さ にあたって、それが紅葉を美しくするように思えてならない。 |
育成上の注意 |
ドウダンを美しくするには、夏の水切れに注意することも大事だ。 「ドウダンツツジは水切れのバロメータですと」と、私らはお客さんにいうのだが、この木が水を切らしてしおれてくると、おっつけ ほかの木もなえてくる。 逆に、この木がまだ元気なうちは、ほかの木に関しても大丈夫だといえる。 水を切らして枯らした話は、実際に聞く話だから、気をつけなくては駄目だ。水をほしがったまま枯れたのかと思うと、かわいそう でならない。どんなにつらい思いをしたか。 だいたい、庭の木には水は不要と考えている人は多い。限られた土の中で育つ鉢のものに比べれば、確かに水やりはさほど神経質に なる必要はない。存分にある土中の水分を吸えるが、ドウダンツツジのように、土中深く根を張れない木は、土の表面のわずかの土の 水分しか吸収できないのだから、いってみれば、鉢の中で育てているのと大差ないことになる。 と考えれば、鉢物に水をやるのと同じ感覚で、ドウダンツツジは水をやらないといけない理屈。 葉が薄いから、水切れで葉が焼けると、すぐに葉をふるってしまう。葉をなくしてしまったのでは、もとより紅葉は望むべくもない。 葉を落としても、木に力があれば、秋にはまた、新しい葉を健気に出してくるが、この葉は紅葉するまでには至らない。 水やりでは、夏の日が高いうちに水やりをしないのこしたことはないが、水やりをする場合は水を葉にかけず根もとに散水するように しないと水滴がレンズの役目をして葉が焼けてしまうことがある。 |
増やしかた | 梅雨時に、挿し木で簡単に増やすことができる。 |